飯塚 雄大
「『大金(私にとっては)を払って、聞いたことのない大学に送りこまれる…う~ん。このプログラムにそれだけの価値があるだろうか…』、研究者への道のステップとしてアメリカで修士号取得を考えていた2年前の自分のこの問いに、今の自分はためらいなく”YES”と答えます。というのも、自分では決して選ばなかったであろう大学で、すばらしい指導教官・生徒・仲間との出会いがあったからです。修士のプログラムでは、想像以上に研究の下地をつくることができました。SLA(第二言語習得)のイロハを学ぶことに始まり、自分で実証研究をデザイン・実施・分析し、学会で発表するところまで、2年前にはまったく知らなかった世界を垣間見ることができました。日本語講師としての仕事も、レッスンプランニングからテスト作成まで、自由にやらせてもらったので、自信になりましたし、自分の生徒たちは本当にかわいかったので、忘れられない思い出です。2年目にはティーチングアワードを頂くこともできました。この2年間は人生で一番多忙な日々でしたが、やりたいことをやっているという実感があったので、毎日午前5時半に起きて教える生活も、不思議とつらくありませんでした。卒業後、この夏は日本の大学で2ヶ月間教えて、秋からはアメリカでPh.D.のプログラムに進みます。この夏の仕事が得られたのも、アシスタントシップ 付きでPh.D.の道がついたのも、言うまでもなく、この2年間の経験があったからです。この機会を与えてくれたALLEXに感謝すると共に、大金を払っただけの(それ以上の)価値があったことを、似たような志を持った方々にお伝えしたいです。」
飯塚雄大 (’14-16)