長田 あずさ

「私は大学を卒業してからすぐにALLEXに参加しました。アルバイトはしていましたが、費用の大半は親に支払ってもらわないといけませんでした。私も含めて両親もALLEXについては何も知らず、信用できるのか、周りが就職をする中でどうしてまたアメリカに行くのかとたくさんの話し合いを行い、それでも応募することに決めました。最終的に派遣先が決まった時は、どんな二年間になるかは想像もできませんでしたが、大変嬉しかったことを、また同時にとても不安だったことを覚えています。夏のプログラム、また大学院での二年間を通して、知識や経験など想像していた何百倍、何万倍もたくさんのものを得ることができました。その中でも、人の縁に本当に恵まれたと思います。夏のプログラムは日々めまぐるしく、経験豊富なほかのALLEX生達に引け目を感じたり、本当に日本語の教師として二年間やっていけるのかと、思い悩むことも多い日々でした。しかし、先生方の情熱や仲間との協力を通して、日本語を教えることの楽しさや新しい考え方の人との意見交換など、いままで体験したこともないような濃く、人として成長できた二か月を過ごすことができました。ミシシッピに来てからは、日本の企業で大人を教えたのですが、夏のトレーニングのようにはいかず、はじめはどうしていいか日々模索、失敗の連続でした。授業の課題も今までとは量も質も違い、一年目はいっぱいいっぱいだったことを覚えています。そんな中でも、こちらで出会った友達、さらに夏のプログラムで仲良くなった仲間たちの手助けや、日本語の先生の細やかなご指導のおかげで、生徒に合わせて柔軟に、生徒にとって一番の授業を作れるようになっていきました。私の生徒は仕事の合間に日本語の授業をとっており、疲れ切った姿を見ることも少なくなく、日々とても責任を感じています。うまく授業が進まなかった日は、生徒の時間を無駄にしてしまわないように、失敗をクラスの向上につなげようとまたさらに努力をするきっかけとなりました。二年目に入った今でも、初めて感じた日本語を教える魅力、底深さ、自分の未熟さ、仲間の視野の広さや助けなど、毎日が刺激と気づきでいっぱいです。二年間を通じてここまで自分が変わると思っていませんでしたが、一番変化した部分は自分に自信を持てるようになったことだと思います。常に自分はどこか人に比べて足りないという気持ちがありましたし、今でもよく、経験豊富な仲間の姿やクラスづくりの壁にぶつかる度に、自分ではだめなのではないかという思いが横切ることもあります。しかし、夏のプログラムから未知の世界に次々と自分で飛び込んでいったこと、経験豊富な仲間がもてるような魅力が自分にもあることに気づいたことなど、二年間を振り返る度に、いままでの自分では成しえなかったことを思い出し、それがさらに、教師として、また人として自分を磨く糧となっています。初めはなにもかもが不安で迷うことだらけだと思います。しかし自分の経験から言えることは、常に仲間の支えがあること、そして失敗をしたとしても、かならずそこから学びがあり、状況や自分をさらに改善することができるということです。ALLEXで頂いたこの二年間の経験は、一生に一度経験できるかわからないほど自分を成長させてくれ、また会うこともなかったであろうたくさんの人と出会うこともできました。今参加するか悩んでいる人にも、ぜひALLEXを通じて、新しい人や考え、経験に、そして新しい自分に出会ってもらえたらと思います。本当にありがとうございました。」

長田あずさ (’15-17)

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